ドロップアウト産婦人科医の生活

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新しいものと古いもの

医薬品は日に日に進歩してどんどん新しい薬が出てきます。

新しくなれば効果が上がったり、副作用が軽減されたり、
そしてさらに薬価が上がって医療費が膨れて製薬会社がまた儲かったり。

最近はジェネリック薬品も参入して薬の名前を覚えるのも大変です。

私たちは医療費を少しでも抑えるため、時代に沿ってよりよい医療を提供するため
がんばって日々勉強し続けなければいけません。

カッコいいこと言った!


ところで産婦人科、とくに妊婦さんに使う薬は安全性が確立されているものが望まれます。
いわゆる使用経験やデータが豊富にある歴史のある古い薬です。

総合病院では売り上げに貢献しているメジャーな科が製薬会社にのせられ、
どんどん新薬を申請していきます。そして時代遅れの薬はどんどん削られます。
これも時代の流れ、仕方のないことです。

実は妊婦さんによく使ってる花粉症の薬と降圧剤が削られそうなのを死守しております。
知らない科からすれば「そんな薬まだ使ってるの?」ってなものかもしれません。

でも思うんです。

血圧下げる薬は会社が違うだけでそんなにたくさんいるんかいな?
同じような作用の抗アレルギー剤とか多すぎやしまへんか?

マイナーな科は発言力がなくていけません。

医者がたくさんいれば好みの薬も千差万別、薬の本は毎年分厚くなっていきます。

確かに新しいものはいいものに決まってます。
でも歴史があるからこそ、確立されたエビデンスによって安心して恩恵をうける患者さんもいます。

最近は昔ほど妊娠中の薬はダメだってことはありません。
お母さんが健康でいるためにかえって使った方がいいこともあります。

そして世の中の薬のほとんどは妊娠中でもちょっと服用したくらいなら
ある程度育った赤ちゃんには影響がないことが多いのです。

それでもやっぱりお母さんはお腹の赤ちゃんへの影響を心配します。
そんなお母さんの心配を完全に取り除くことは産婦人科医でも不可能です。


最近は病院経営も厳しいから大変です。
それぞれの言い分をいちいち聞いてたら赤字になっちゃうんだろうね。
私も従業員の一人に過ぎないわけだし。

以上、少数派意見をちょっとつぶやいてみました。
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Commented by スマイルちゃん at 2012-05-07 22:12 x
先生、お疲れさまです!!先生はいろいろと考えていてえらいなと思います。みんな先生みたいな先生だったら、産婦人科にかかる患者さん、幸せなんですけど。うちは、クリニックですが、今は普通にやっていたら、開業医は借金を返すとあとはあまり残らず、昔みたいに儲けることはできません。でも、自分のポリシーでやれる分、プラスマイナスゼロ、になっています。でも、私も先生みたいにもっとよく考えて診療しようと思います!!しかし・・・「先生、私妊娠●●週なんですが、このお薬飲んでいいでしょうか?」「本当に、飲んで大丈夫でしょうか?」とかよく問い合わせの電話などあるのではないでしょうか?「そんなに心配だったら飲まなけりゃあいいでしょ・・・?」なんて、先生は言わないと思います。ほんとにお疲れさまです・・・(T0T)
Commented by おきな at 2012-05-09 10:20 x
医薬品の終わりのない進歩は、目覚ましい、「薬は医でもち医は薬でもつ!」の関係だから、病状に適合する薬選びも、医者の信用を左右し人気度に影響するね。 総合病院の小児科医S先生は、薬の使用が少ないから左遷されたと噂が立った!本当は分からないが、医療の波を上手に泳ぐのは難しいのかも。 お母さんが胎児を守って薬を拒む姿には感動します!母の無償の愛なのでしょうね!
 追:スマイルちゃんさんお誉めの言葉有り難う!
Commented by kurukuruX at 2012-05-13 16:03
>スマイルちゃんさん
妊娠と薬の相談・・・録音した説明を繰り返し使いたいくらいです。笑
そんなわけで結構クールに「あとは自己判断で・・・」
なんてバッサリすることも多々ありますよ。
すいません、期待を裏切ったようで。
Commented by kurukuruX at 2012-05-13 16:06
>おきなさん
「医療の波を上手に泳ぐ」
ぜひ目標にしたいと思います!
by kurukuruX | 2012-05-07 21:54 | 仕事 | Comments(4)

只今、二度目のドロップアウト中。


by kurukuruX