ドロップアウト産婦人科医の生活

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手術

お母さんの手術から丸2年。

癌を全然取り切れなかったわりに今は元気でホント何よりだ。

そういえば、あの手術から手術らしい手術をしてない気がする。


あの時、手術室では麻酔導入するまで、私は涙をポタポタこぼしながら、お母さんの手を握っていた。

後から聞くと、お母さんは全然覚えてなかったらしい。

シーツのこっちは見慣れたいつもの開腹手術の光景、シーツの向こうは挿管チューブをくわえた青白いお母さんの顔。

なんだかとても奇妙な感じだったなぁ。

手術では助手を努めたけど、最初は、身内にかかわらず、手術になればいつも通りにできるもんだなぁと感じてた。

でもオペが進むにつれ、お母さんの子宮にふと目がとまり、私を帝王切開で産んだ時に作られた子宮の傷跡を見つけた瞬間から、変な気分になった。

そして次第に、癒着した腸管がどんどんボロボロになっていくのが見ていられなくなって、気持ちが悪くなってしまった。

私はそれ以上続けられず、術野から降りることにした。
自分より下の先生に、助手を代わってもらった。


でも今は、あの時腹膜全体にどっさり残った病巣も、抗癌剤と私の介護のおかげ?で今は奇跡的におとなしくしている。

こんなこともあるんだ。

今となっては、オペも抗癌剤もやってきてよかったと心から思う。

神様、ありがとう!
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Commented by lemonhart-pen at 2006-05-04 01:52
つらい経験をされたのですね…かけがえのないおかあさんの前ではいつまでたっても一人の女の子だし、でも病気をかかえたおかあさんにとっては、一人の医者としての自分も存在するわけで…その上自分の専門分野での疾患となると…重いですね… とりとめのないコメントですみません…
Commented by kurukuruX at 2006-05-04 13:58
コメントうれしいです。
幸い、母の病状も落ちついており、一緒にお散歩したり、ご飯作ったりと前向きに余生を過ごしています。
今は、手術も化学療法もがんばってよかったと思っています。
by kurukuruX | 2006-02-18 16:27 | おかあさん | Comments(2)

只今、二度目のドロップアウト中。


by kurukuruX