ドロップアウト産婦人科医の生活

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3人姉妹

仕事の帰り道、夕食の買い出しに、いつものスーパーに寄りました。

エノキを手に取り、ハーフにするか、フルにするか、真剣に吟味していると、

「先生!」

と呼ばれ、振り向くと、見覚えのある患者さんがいました。

ここは超田舎なので、スーパーで病院関係者、患者さんに遭遇する確率は、かなりのものです。

その患者さんが自分のことを名乗る前に、私は、「○×さんですよね?」と、すぐ相手が分かりました。

その人は、私がドロップアウトしてる時期に、とても苦労して赤ちゃんを出産した人だったからです。

そして、お母さんのすぐ傍には、同じ顔をした、とても可愛い双子の女の子がいました。

ついこの間、判決が出た、世の中を騒がしていた事件ではないけれど、その人も帝王切開の際、大量出血し、術中10分以上も心停止したのにもかかわらず、奇跡の復活を見せたスゴい症例の人だったのです。

一時は「これが『母体死亡』とゆーものなんだろうか...。」と凍りかけた、自分の医者人生の中でも忘れることのできない人です。

今でも医局の机には、その双子の赤ちゃんが生まれた時の写真が、こっそり飾ってあります。


「大きくなったんだねー!」


あの時の写真から、本当に大きくなってて(当たり前だけど)、不思議な感覚で、月日の流れを感じました。

「この先生が、あなた達を生ませてくれたんだよ。」

「大変だったんだからー。」

お母さんに説明されても、当然のことながら、2人ともキョトンとしています。

2つ上のおねえちゃんと3人で、狭いスーパーの中を楽しそうに駆け回っていました。

お店のBGMが、「崖の上のポニョ」になった途端、3人は我こそはと、張り裂けんばかりの声で、「ポーニョ、ポーニョ、ポニョ♪」と歌い出しました。

それが何とも微笑ましくて、とっても可愛かったなぁ。

帰り際には、駐車場で車の中から、恥ずかしそうに手を振ってくれました。


また、会えたらいいなぁ・・・。
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Commented by 寧夢 at 2008-08-27 09:55 x
読んでいて、ちょっとウルウル来ました。
Commented by kurukuruX at 2008-08-28 17:30
>寧夢さん
きちゃいました?涙腺刺激。
でも本当にかわいくて、とても幸せそうな光景だったんです。
久々に癒されました。
by kurukuruX | 2008-08-26 22:59 | 仕事 | Comments(2)

只今、二度目のドロップアウト中。


by kurukuruX