ドロップアウト産婦人科医の生活

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カテゴリ:仕事( 100 )

熟年の味わい

県下産婦人科界の重鎮中の重鎮である、大先生とのワインを楽しむ会が恒例となっています。

もちろん、さしで。

見るからに強面で(!)大学教授をも恐縮させる、この大先生とは地道な人脈から繋がった、ありがたいご縁でもあります。

どろぽの私ですが、何かと気にかけていただき、可愛がってもらっています。

「仲良しですけど?」

なんて公言した日にゃ、もう一目置かれること間違いなし!

怖いもんなし!

いつもご馳走になってばかりなので、今回は先生の長年の功績を讃えるべく、私がワインをご用意いたしました~♪

いつもお世話になっている、ワイン屋のお兄さん一押し、
世界的に評価の高い桔梗ヶ原地区で造られた、国内最高峰のヴィンテージワインです。


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地元のフレンチに持ち込ませてもらい、ワクワクしながら栓を開けてもらうと、芳醇な香りがお店中に一気に広がって、思わず店員さんもビックリしていました。

日本人がボルドーに追いつくべく、丁寧に地道に造られたワインの貴重な第1号だそうな。

20年近くという、長い年月を経てしか出せない味わい。

ワイン通の先生も気に入ってくれ、こんな機会にしかお目にかかれない私も便乗して十二分に堪能しました。

そんなワインと共に、お話しされる同門会設立のご苦労や、先生しか知りえない教室の歴史の数々が、今回は妙に感慨深く感じられました。

長年、地域医療に尽力され、いくつになっても新しいものに寛容で、常に人生を楽しんでおられる先生。

足元にも及ばないけど、そんな姿勢を見習うべく、私もまたがんばろうと思いました。







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by kurukuruX | 2016-12-04 12:36 | 仕事 | Comments(3)

医師免許証

医師免許証は厚生労働大臣によって発行されます。

自身の医学部卒業時の大臣が当時、小泉さんだったので、

将来の総理大臣となった「小泉純一郎」と署名された証書がちょっと誇らしげでもありました。

そして時代は流れ、改姓により医師免許再申請せねばならなくなった際、

届いた免許証が、その時の厚生労働大臣である「舛添要一」となりました。

最初の証書は手元になく、少し寂しい思いをしたことが思い出されます。

最近の都知事ニュースによって、彼のイメージダウンも著しく、

さらにテンションが下がり気味な医師免許証となっています。

イメージって影響あるなぁ。。。
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by kurukuruX | 2016-06-20 22:08 | 仕事 | Comments(2)

大学講義

母校である大学から医学生への講義を頼まれました。

スライドを準備しながら、自分の学生時代を思い出します。

今の時代とあの頃とでは授業の仕方も随分変わってきました。

昔は先生が授業しながら板書した内容をノートとったり、そしたら眠くなって、かと思えば、流れてきた漫画よんだり、出席取らない授業は大抵サボたり・・・。

基礎医学もあの時もっとちゃんと勉強してたら、今もっと優秀な医者になっていたかも・・・。

内科や外科と違って、産婦人科学なんてマニアック過ぎて、当時ほとんど理解不能でした。

マイナー科のさらにマイナーな分野を、まだ知識も浅い学生相手に1時間以上、退屈しないように、分かりやすく・・・などと、工夫しながら準備する作業も結構大変です。

こんなに苦労して授業してくれていた先生のことを思うと、当時もっとちゃんと聞けばよかったなぁ。

こんな立場になって初めてわかるもんです。

今は講義も当然ながらパワーポイントが主流で、学生も大事なところはスマホでカシャカシャ撮っています。

便利になりました。

どうせみんな寝てるだろうし、少ないだろうな、なんてちょっと侮っていましたが、今回学生の出席率のよさにまず驚きました。

座席がほとんど埋まっています。

優秀な学年なのかな?

配布資料にないスライドの部分はすかさず、写真を撮ってるし、よしよし、ちゃんと聞いてくれています。

講義が終了し、さて帰ろうかなと思っていたら、7、8人の男女の学生が壇上に近づいてきました。

質問なのかな?と思ったら、

「バスケ部です。今日は部員全員出席しました。」

なんと!!

おばさん、遥か昔のOBですが、もちろん彼らとは面識もなく、いや、確かに大会前には毎年援助してますけどね。

にしても、なんていい子達なの!!

いやぁ~、今の若者もなかなかやるじゃないの。

すっかり感動してしまいました。

無事に講義も終えることができて、気持ちのいい若者にも触れ、こんな経験もたまにはいいもんです。






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by kurukuruX | 2016-03-18 22:10 | 仕事 | Comments(2)

芸能人の影響

最近、有名人がガンになったり、亡くなったりするニュースが続いています。

その影響あってか、健診センターではガン検診を受診する人がここ数日で増えたように感じます。

「ここんとこずっとやってなかったんだけど・・・、最近ほら、話題でしょ?」

たまたま今だけかもしれませんが、それでもとてもいい傾向です。

講演会や市民講座で声高に訴えてみても、なかなか受診率って上がらないもんです。

芸能人の大衆に与える影響ってやっぱり偉大なんだなーと実感しました。

健康診断はいたって健康な人がお医者さんと接する唯一の機会でもあります。

思いもかけない発見がお互いあるかもしれません。

若い年代こそ、早期発見・早期治療。

これに尽きます。








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by kurukuruX | 2015-09-30 22:47 | 仕事 | Comments(2)

同窓生の星

医学部卒業から10年いや20年近く経ち、同級生から初の教授が誕生しました。
歴代最年少の記録だそうです。
すごい!
何かやってくれるとは思ってた人だけど、そうきたかー。
同級生としてとても誇らしいことです。

学生時代の成績は必ずしも社会人としての成功に結び付くとは限らないもんです。
勉強ができるのと仕事ができるのは全然違うこと、社会に出てから学びました。
私も身をもって感じ今に至ります。

学生時代の彼の成績は下から数えて片手くらい?
大雑把で、でも要領がよくて、妙に人を見抜く力が鋭い人でした。
彼の周りには常に人が集まっていて、上からも下からも人望が厚い人だったなぁ。

卒業後の並々ならぬ頑張りと持ち前の型破りな性格でもって、
保守的な教授陣の心をグッと掴み、大差で今回の教授選を勝ち抜いてしまいました。
いつものように面白おかしくサクセスストーリーを話してくれたけど、並々ならぬ努力が隠れていることはみんな分かっています。
そしてそんな彼を選んだ大学も捨てたもんじゃないです。

祝勝会は卒業以来の同級生達といっぺんに再会できた機会でもありました。
久しぶりの面々は、開業して儲けまくっている人、
海外留学を終え、さらなる出世欲をメラメラさせる人、 
専門分野をストイックに追及し続ける人、はたまた
トライアスロンに挑戦しようと鍛えている人もいました。
久方ぶりの奥さんのオメデタもあれば、真剣に離婚を悩んでいたり、
持病を抱えながら激務に耐えていたり、
ドロップアウトしていたり(←私)・・・
すでにこの世を去ってしまった同級生も数人います。

学生時代には想像もしていないような、みんなの今があります。
いろいろあるよ、それだけの時間が過ぎたということです。

医者としてみんな脂がのりまくっている時期。
それぞれの道の先頭でみんながんばっています。

外見は多少変わっても、中身はみんな全然変わってなくて、肩書きも関係なし、
まるで学生時代にタイムスリップしたかのように盛り上がりました。
院長だったり、管理職だったりと普段から孤独になりがちな立場にとって、
くだらないことも気兼ねなく話せる仲間の有難さをみんな感じていました。

なかなか苦労の絶えない仕事だけど、同級生の活躍を励みにまた明日からがんばれます。

医学界のトップとも言える教授になったからには、それ相当の心労もあるだろうと思うけど、
でもきっと彼なら何かを変えてくれるはずです。

congratulation!

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by kurukuruX | 2015-08-30 15:33 | 仕事 | Comments(2)

健康診断

先日、外来で看護師さんから呼び止められました。

「先生の姿を見かけて、ぜひお会いしたいという患者さんが今そこにいるんですが。」

その人は5年前に私が担当し、手術した患者さんでした。

私自身の療養を機に、今は別の先生にバトンタッチして、定期検診に通われています。

受け持ちを離れたとはいえ、私も経過が気になっていました。

当時、その人の受診日には検査結果をお互い緊張しながら確認していたことが思い出されます。

卵巣癌や卵管癌は ”silent cancer” といわれるくらい、自覚症状が出にくく、早期発見・治療が難しい病気です。少し前に話題になったアンジェリーナ・ジョリーのように、遺伝的にハイリスクだと分かっている人が予防的に摘出してしまうのも、病気を回避するいい手段かもしれません。
お母さんのときも、まさに典型的な進行期の状態で見つかり、予想通りの経過をたどりました。


彼女の場合、ただの健診で訪れた初診の際に認めた、ごくわずかな腹水がきっかけでした。

いつもなら生理的腹水として済ますところでしたが、わずかにひっかかるものを感じたのを覚えています。

苦痛を伴う二次検査に悩む患者さんを説得し、検査をしたら、それがビンゴだったのです。

そして予後の悪い癌だったにもかかわらず、5年以上が経過した今も病気の芽は出てきておらず、
「こんなことも実際あるんだなー。」と感慨深く、改めて人間の体の神秘性、複雑さに感心させられました。

画期的な検査や医療技術が日々進歩する今でも完璧な検査はなく、タイミングや偶然的な要素に左右されたりと、人の体の不具合の原因、病気を見つけるということは、いかに難しいことか。

月並みですが、”定期的な”健康診断って大切です。

1回で見つけられたら逆にラッキーなくらいです。

たまたま今、健診業務に関わっていますが、病気を治すだけではない、いかに早く見つけられるか、そしていかに予防するか、これまた日々勉強です。


彼女は久しぶりに私の顔を見ると、人目をはばからず涙を流し、感謝の気持ちを何度も何度も言ってくれました。

そして、先生もどうかご自愛ください、と。

もともとキレイな人だったので、すっかり元のお洒落な彼女の姿は、まるで病人には見えない、それはちょっと奇跡に近い感じでした。

私もとてもうれしく、励みになるのと同時に、
これから先も彼女自身の人生をめいっぱい楽しんでいってもらいたいなと思いました。





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by kurukuruX | 2015-07-10 13:38 | 仕事 | Comments(2)

断捨離

長らく不在にしていた医局の机ですが、思い立って断捨離をもくろみました。

片づけ下手も手伝って、改めて見回してみると、むむむ、いろんなものが溜っております。

何年も開いちゃいない立派な医学書はホコリをかぶり、既に時代遅れの内容です。

研修医からの患者さんの退院サマリの束は、アナログ時代を反映して何冊ににもなっており、パラパラめくると懐かしい名前と患者さんたちの顔が蘇ってきます。

研究データやパワポがまだない時代の本物のスライドの数々、そういえば、こんな学会発表もしたっけな。

お母さんの治療のために集めた大量の論文や資料、なりふり構わずいろいろな先生方とやりとりしたメールの控えなども出てきました。

あの時は、とにかく必死でした。

最近がんばっていた新しい手術の分野のものは一番多くて、目新しさと刺激を受けた出会いがいっぱいありました。試行錯誤しながら自分の専門分野、サブスペシャリティとして築けたことは大きな自信になりました。

要らないものを処分していくと、これまでの自分の足跡が妙に客観的に見えてきます。

そうか、片づけるってこういうことか!


医学は日進月歩です。

10年前、お母さんに使うかどうか躊躇していた新薬も、現在は保険適応になって普通に使われています。

5年も経てばどんどん新しい治療法や薬が出てきて、それまでのものは過去のものになっていきます。

最新の知識でいるためには常に関わっていないと、あっという間に乗り遅れてしまいます。

今与えられた境遇の中で、新たに出会う様々なご縁もまた大切にしていきたいです。

これからの自分はどんなことに興味を持ってどんなになっていくんだろう。

それはそれで楽しみだったりもします。
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by kurukuruX | 2014-08-07 22:45 | 仕事 | Comments(2)

大切な仲間

休み中の励ましもどれだけ心強かったことか。

長らく迷惑かけました。

温かく迎えてくれたスタッフのみんな、ありがとう。


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by kurukuruX | 2014-07-06 18:02 | 仕事 | Comments(0)

快適しごとライフ

いままでのような、外来、手術、入院管理、分娩や急患の呼び出し・・・などなど

一切無縁な毎日です。



なんてストレスフリーなの!!



何でも突っ走りがちな自分が、折り返し地点にさしかかり、さらに突っ走ろうとした矢先でした。

お母さんが体を張って止めてくれたんだと思っています。


現在の仕事は主に健診業務です。

婦人科検診を始め、市町村の健診や企業の人間ドック。

慣れないながらも、オジさま達も診察しちゃってます。


院内PHSを持って帰らなくてもいい。

ゆっくりご飯も食べられる。

休日も心おきなく遠出ができる。

こんな快適な生活を、いましばらく堪能させてください。
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by kurukuruX | 2014-06-15 21:57 | 仕事 | Comments(4)

妊娠中の旅行

妊婦さんの遠出は極力おススメしないスタンスです。
妊婦健診で度々遭遇するんだけど、みんな結構平気で飛行機乗ったり、海外へ行ったりしています。

それでも、行く前にみんな、担当医からお墨付きをもらいたいんだろうね、
「先生、旅行に行ってもいいですか?」って聞いてきます。
あんまり遠距離だと
「あまりお勧めしませんが。」と答えます。
それでも行きたそうな雰囲気の患者さんには、
「あとは自己責任でね。」って付け加えます。

妊娠は病気じゃないし、そりゃ前もって計画していた楽しみをキャンセルしたくないでしょうし。
最近は止める家族の人もいないのかな。

でも妊娠中って予期せぬことがいろいろ起こります。
長時間、車や飛行機に揺られるのも悪影響です。
ちなみに妊娠してるってだけで血栓症、いわゆるエコノミークラス症候群は、実は普通の人の何倍ものリスクがあります。

何か起こって、まして言葉も通じない国では不安でいっぱいでしょう。
さらに出先の、かかりつけでない病院では、いつものようにすぐ診てもらえないかもしれません。


実はさきほど起こったことです。

白衣を血だらけにしながら、分娩後の縫合をしていたところ、救急当直の先生から
「出血してる妊婦さんが来てるから診てほしい。」って依頼されました。

その患者さんは旅行中に出血してしまい、かかりつけ医に電話したところ、今いる地域の病院にすぐかかるように言われたそうですが、大学病院、医療センター、市立病院・・・どこの病院でも診療・受け入れ困難の対応をされたそうです。そして2時間近くかけて、郊外も郊外の、うちの病院へやってきました。

やっと処置を終えて、いざ診察すると、その人は大量の出血と共に既に流産に至っていました。
複数の大病院の診療拒否はちょっと信じがたい状況でしたが、気の毒なのは患者さんです。
もし数時間前に対応できてたら、どうだっただろう・・・、いやいや、それは結果論です。

出血・全身管理や手術の必要性をお話しして、入院準備を進めていきました。
すると、患者さんから「明日の朝には自宅へ帰らせてほしい。」と言われました。

・・・。

確かにね、ここはお家から遠く離れた異国(?)の地。
早く帰りたいよね。お母さんはお家のことも心配なんだよね。

でもね、
たくさん出血してるんだよ?
麻酔・手術が必要なんだよ?

患者さんの体のことを最優先して、動くのが病院の仕事です。

白衣も、その下の自分のジャージまで返り血を浴びて、ちょっと無残な姿の自分にふと気がついた瞬間、なんだか、なんだか急に自分のやってることが虚しく思えてきました。

やむなく診察を断った先生達は、他の急患の対応に追われていたのかもしれません。

厳しい労働条件の中で必死にがんばっている産婦人科の先生達も同時に哀れに思えてきました。


産婦人科はとにかく救急疾患が多い診療科です。

なるべく翌日の手術に万全で臨めるように、長引く分娩にも根気よく付き合えるように、貴重な休みには少しでも眠れるように、できるだけ緊急対応せずに済むように仕事を采配することも、長く働き続けるためには必要なわけです。

妊娠中だって楽しく過ごしたい!いつでもどこでも病院にかかりたい!という患者さん側の立場と、実際診療する側とでは、立場の違いってだけで随分と意識がかけ離れているのでしょう。


同じ給料で仕事がキツいなら、今どきの若者もさることながら、誰だってやりたかないでしょうよ。

そうじゃないところに人が流れていくのは、当たり前のことです。

産婦人科医不足なんて、きっとこの先も解消されることなくて、明るい未来??

ない!ない!なぁーーーーーーい!!!(断言!)

患者さんや妊婦さんの意識改革も必要です。

日付が変わるちょっと前に、やっと夕食にありつきながら、そろそろ限界かも・・・なんて。

ちょっと病んでるなー、自分。
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by kurukuruX | 2013-07-24 00:50 | 仕事 | Comments(6)

只今、二度目のドロップアウト中。


by kurukuruX