ドロップアウト産婦人科医の生活

kurukurux.exblog.jp
ブログトップ

カテゴリ:仕事( 100 )

幸せな光景

夕暮れ時、中高年夫婦が歩道をウォーキングしていました。

遠くからだけど、よく見たら患者さんでした。

長年、悩まされていた臓器下垂により、歩行も困難だったり、常にトイレの心配をしているといった症状で治療を受けられた方です。

高齢のため、最初は不安いっぱいで迎えた手術でしたが、
幸い順調な経過で、先日の術後検診の際にも、
「思いきって、手術を受けて本当によかったです。」
と心から喜んでおられました。

御主人とニコニコ仲睦まじく歩いている後姿を見送りながら、私も
「いい仕事したなー。」とうれしくなりました。

感謝の言葉ももちろんありがたいけど、病院以外の場所でこんな風にこっそり感じられたことがうれしいやら、誰かに自慢したいような、思わず小躍りしたくなるような、いい帰り道でした~!
[PR]
by kurukuruX | 2013-06-07 18:34 | 仕事 | Comments(2)

産科医療補償制度

3人の分娩進行中のため、朝から病院に詰めております。

4時間経過し・・・


産まれん!!


お産は自然の成り行きなので、こればっかりは人の力ではどうにもなりません。

お腹が空いたので、自販機のタコ焼きを救急外来患者さんに交じって買いました。

外は絶好の洗濯日和です。

いつ帰れるんだろ・・・

ところで、こういった待機中の時間外手当は一切出ません。
まあ、ただ待ってるだけだしね。

そういえばつい最近、数年前から導入された「産科医療保障制度」の余剰金を妊婦さんたちに還元するって話がありました。

あれも導入当初から、対象患者の絶対数がわずかなことは明らかだったから、まぁ掛け金が余る現状は当然と言えば当然だったわけで。

掛けた妊婦さん達に返金するのも結構だけどさ、少しでも障害を免れるために頑張った産科医に対しても還元されていいんじゃないか?と思ってしまいます。

自動車の保険だって、幸い交通事故が起きずにすんで、たとえ掛け金が戻ってこなくても誰も文句言わないでしょ。それが保険っちゅーもんだし。

万が一の不幸な事態が起きた時、赤ちゃんやその家族に対して、迅速に必要な補償が行き届く、
何が起こるか分からない分娩ってものに保険をかけるこの制度は、医療側、患者側のお互いにとって大変画期的な制度でした。

賛否両論あるだろうし、別に余ったもん全部よこせなんて言わないです。

ほんの少しでいいから、数少ない全国の産科医にも「ご苦労さま特別手当」を考えてくれると、
きっとまた明日も頑張ろうって気持ちになるかもしれません。

だれか国の偉い人が提案してくれたらいいなぁ・・・。
[PR]
by kurukuruX | 2013-05-26 12:26 | 仕事 | Comments(6)

子宮破裂

午前中の手術が終わって、病棟に帰ると、
ノーリスクの分娩進行中の妊婦さんの様子がおかしいとの報告により、分娩室へ。

回旋異常からの子宮収縮輪、尋常ではない妊婦さんの激しい下腹部痛、
これはいつもの陣痛じゃない、って感じた瞬間、
血圧低下、150を超える頻脈に。

「子宮破裂」
頭をよぎりました。

予定していた午後の婦人科手術を繰り下げ、超緊急カイザーと輸血をオペ室に要請して、
大急ぎで赤ちゃんを取り出し、裂けかけた子宮を血の海の中で修復し、
無事赤ちゃんとお母さんを救出することができました。

赤ちゃんはちょっとヘバっていましたが、すぐに元気に泣いてくれました。

よかった・・・

気がつくと、私も全身から大量の汗でオペ着がビタビタになっていました。

初めての経験。

ベテラン上司から、
昔、同じような症例で、急いで手術したら、お母さんのお腹の中で、既に子宮から飛び出して息絶えていた胎児がいた、なんていうエピソードを聞いて足が震えました。

まさに危機一髪とはこのことです。

迅速に対応してくれた手術室のスタッフ、他の科の予定手術にも大きく影響を及ぼしてしまいました。協力してくれた麻酔科の先生達もありがとうございました。
興奮しすぎて、みんなにお礼を言うのを忘れちゃったな。

子宮破裂なんて母子の救命率は限りなくゼロに近いって、教科書上でしか想像してなかった。

きっとこれは神様の力に違いない。
神様、ありがとう。


午後は、これまた1キロ近い子宮筋腫を取り出す手術でした。

手術のし過ぎなのか、左手首がたぶん、腱鞘炎だね、痛くて力が入らなくなってしまいました。
病棟に余ってた湿布を貼ってみたけど。
通りすがりの整形の先生からは、「とにかく安静だね。」 なんて軽く言われました。

そういえば、来週は確か今日の3倍くらいの筋腫の手術だったような。

・・・だ、大丈夫かな。

そんなんで手術される患者さんも不幸だよな。
みんな、子宮筋腫はあまり育てずに病院にかかってほしいもんです。


ということで、帰り途、コンビニにフラフラと立ち寄り、購入しました。
f0056660_21265423.jpg

実は甘いものは得意ではないんだけど、今日は疲れた体に染みました。
[PR]
by kurukuruX | 2013-05-15 21:50 | 仕事 | Comments(4)
産婦人科に入局する若手はいまや、女医さんがほとんどを占めています。

そして優秀な彼女たちも一人前になるかどうかの辺りで
結婚・出産・子育てを理由に一線から、やむを得ず退いてしまいます。

戦力を失うダメージは、大学病院のような大所帯と違って、地方の小規模病院では死活問題です。

当事者もいたたまれない気持ちに違いありません。

先日の研究会で、忙しい病院の部長もボヤいていました。

これも大きな声では言えない、正直な気持ちなんだろうな。

「女性が働きやすい職場を」 あちこちで叫ばれております。

最近、総理大臣も言ってたな。

でもそう簡単にはいきません。

カバーする周りにおんぶに抱っこの今のシステムでは無理ってもんです。

バランスが悪すぎ、先が見えなさすぎ、長続きしっこない。

そして長い年月を経て、子育てに手がかからなくなった頃となっても、
職場復帰する先生方をいまだかつて私は見ていません。

医者の代わりはいても、お母さんはただ一人、代われない存在です。

それに一旦、楽をしたら戻れないよな、人間だもの。

確かに昔、ドロップアウトしてた頃は、そりゃぁもう人間らしい生活でした。
訳あって戻ってきたけど、まぁこれも運命です。

そして気がつけば私も、関連病院に残っている女性医師の数少ない一人となっています。

先日、医局長から
「ぜひ若手女医さん達の将来のモデルに」
なんて言われました。

男並みに働いている状況がどうモデルになるんだ?
反論が喉まで出かかったけど、辞めずにずっと頑張ってくれってことなんだろうね。

勤務体制の多様化、短時間常勤制度も大いに結構です。

でもやるならみんながそうなっても回るくらいのものにならないと。

・・・難しいなぁ。
[PR]
by kurukuruX | 2013-04-21 18:09 | 仕事 | Comments(12)

人生初

このたび、グリーン車に乗っちゃいました~!

行先は学会です。

ホームで列車を待ってる時から、すでに優越感♪

到着した車内に入った瞬間、何となく、ゴージャス感が漂います。

ちらほら埋まってる座席の周囲を見渡すと、品のよさそうな老夫婦をはじめ、

みんなお金持ちそう~!

広々シートに包まれ、わぁ~、足置き場もあるー!

気のせいか、ビールの味も格別です。

セレブの世界?に仲間入りしながら、快適な旅はあっという間に終わってしましました。

いやぁ~、

大人だなぁ・・・

贅沢だなぁ・・・
[PR]
by kurukuruX | 2013-03-23 16:08 | 仕事 | Comments(2)

これから楽しみだなー♪

職場に若い先生がやってきました!

若いと言えば初期研修医しか接点がなかった私にとって、それはとても新鮮なひとときでした。

手術の準備も自ら率先して手を出してくれる。

その内容に逐一反応して、食い付いてくれる。

諸業務を一通り案内した後にくる、質問やまた足りない点の指摘などが、

もう、そりゃぁぁぁもう、ズバリ的を得ていて、

お姉さん、いや、おばさんもう感動して涙で前が見えませんっ!

医学部を卒業したてのぽわーんとした研修医とは違う、

これから教えることがどんどん明日の産婦人科医療に直結する、

若き後輩の存在が有難くもあり、また自分にとっても刺激的であった今日一日でした。

その先生は週に1日だけのパートの派遣です。

でもいいんです。

これがどれだけのことか。

たかだかこんなことで、地方に埋もれた一産婦人科医にとっては、

日々の業務に大きな影響があることを

医局のトップ、白い巨塔の頂点の教授には分かるはずもありません。

今日はとにかくうれしくて、ワインを開け、酔っ払い、

ニヤニヤしながらパソコンに向かい、ブログを更新しております。
[PR]
by kurukuruX | 2013-02-13 21:55 | 仕事 | Comments(12)

今年のおみくじ

久々の更新になっちゃった。

ちょっと前にお正月を迎えたばっかりなのに、1月ももう終わりなんて・・・。

先日、初詣でひいたおみくじは 「大吉」でした~!

にゃは!

「貴人来たつてところを指す」

自分より目上の人の引き立てにより、龍が天上に昇るように威勢がよいらしい。



仕事で自分が価値を見いだせないような行事に出席すべきか迷った挙句、

ふと、この言葉を思い出し、

今回は上司の指示どおり、渋々参加することにしました。
[PR]
by kurukuruX | 2013-01-29 23:24 | 仕事 | Comments(2)

今年の締めくくり

本日、今年最後の予定手術を無事に終えることができました~!

やれやれ。

振り返れば、山あり谷あり、いろんなことがありましたが、総じて
これまで頑張ってやってきたことが報われ、評価された1年だったような気がします。

常に急変と隣り合わせの分娩に関わり、ときに終末期の患者さんを看取り、
手術管理や急性期疾患を扱う仕事は、慣れてしまったとはいえ、
いつも気が休まらないハードな仕事だなぁと改めて感じます。

幸いトラブルもアクシデントもなく、無事に1年間が過ぎ、ホッとしているのが正直なところです。

来年もさらにいろんなことが起きそうな予感だけど、流されつつも、
時間を大切に毎日過ごしたいと思います。


ところで、この時期、連日ほぼ飲み会です。

最近、ウコンが手放せません。

確実に年とってます。


よい年を迎えられますように…
[PR]
by kurukuruX | 2012-12-27 17:46 | 仕事 | Comments(6)

性格が結果を引き寄せる

職業柄いろんな性格の人々と接します。

毎日の診療では、今その人が困っている症状の原因について診断して、
わかりやすく説明し、今後の治療方針を提案します。

ちょっと昔だったら、
「詳しいことは聞いても解らないから、すべて先生にお任せします。」
自分の身に行われた医療行為の内容すらも把握せず、でも体は元気になっている。
昔はそれでよかったんだよね。

今はだいぶ違っています。
起こりうるリスク・受けられる恩恵、たくさんの情報と選択肢の中で、
治療方針は患者さん自身が決める時代です。

初めての診察でいきなり「手術した方がいいですね。」なんて言われたら、
大抵の人はすぐには決められません。
「ちょっと考えます。」とか「家族と相談します。」とか。

それが命にかかわらない病気だったりすればなおさらだし、
自分の体のことだから、よーく考えることは必要です。

そんな中でもたまに、潔いほど即断即決する患者さんがいます。
ホントにいいんですか?って感じの時もあります。

それほど辛い症状に悩まされていたのか、それとも、あまりこだわらない性格なのか。

でもそういう人って不思議と手術の日もたまたま空きがあったりして、すぐ日程が決まったり。
手術や術後経過も予想以上にスムーズで「楽になったわー。」と元気に退院していく人が多い印象です。


反対に、いろいろ迷う性格や少しの不具合も気になる神経質な人は、
治療方針もなかなか決められず、時間がどんどん過ぎていきます。

完璧を期待しちゃうんだろうな、
「絶対大丈夫ですか?」「完全に治りますか?」ってこちらに詰め寄ってきます。

やっぱり医療行為に「絶対」なんてないし、言ってあげたくても言えないご時世なので、思ったような返事が貰えず、家族や友達からもいろんなこと言われて、また悩み続けます。

そしてそんな患者さんに限って普段はあまり起きないような合併症が起ったり、入院が長引いちゃったり、治療の経過がかんばしくなかったり、今度は別の不満が出てきたり。


もちろん性格によって結果が違うわけではないけれど、性格が結果を引き寄せる?

科学的根拠は一切ありません。

不思議だけど、ちょっと納得できる部分もあったりします。

病気に限らず、なんでもそうかな。


果たして自分はどっちのタイプだろう。

前者のようになりたいなーって思ってる後者かな…

おおらかな人、憧れるなー。
[PR]
by kurukuruX | 2012-12-04 17:55 | 仕事 | Comments(4)

出会いと別れ

診療補助のおネエさん

彼女がついに旅立ってしまいます。

医療に関する専門知識も身につけ、各ドクターに合わせて気を利かしたり、病院からも信頼を得て多くの仕事を任され、忙しい外来診療においては、もはやなくてはならない存在となっていた彼女です。

とっても残念で、仕事の上でも大きな痛手です。
退職の話を聞いたときは、ありがちな寿退職かと思いました。

かねてから念願だった資格を取得し、更なるステップアップできる新しい職場に出会えたことを彼女から聞き、妙に納得しました。
私に一番に話してくれたこともうれしかったなぁ。
もう、年上の扱いが上手なんだから!

「なかなか相手が見つからなくて、結婚はまだまだできそうにないです。」

職場は離れちゃうけど、どうかこんないい子に悪い虫がつきませんように。

きっと新しい職場でも活躍することでしょう。

今どきの若いもんは・・・なんて思うことが多くなったこの頃だけど、
彼女との出会いは私にとっても大きな財産となりました。

送別会は大いに盛り上がって、お腹抱えながら笑いっぱなしの楽しいひとときでした。

がんばれー!
そしていい人と出会うんだよー!
[PR]
by kurukuruX | 2012-09-30 00:40 | 仕事 | Comments(8)

只今、二度目のドロップアウト中。


by kurukuruX