ドロップアウト産婦人科医の生活

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カテゴリ:仕事( 100 )

人生の集大成

とてもお世話になったスタッフのお通夜に参列してきました。

ベテラン助産師としてバリバリ仕事をこなし、それでいて腰が低くて
いつも笑顔で患者さんにも優しい人でした。
何より赴任してきたばかりの私に親切でうれしかったなぁ。

うちのお母さんの闘病時期とも重なり、お互いの病気について
医療者の立場を超えて、たくさん話をしたことが思い出されます。

お別れには本当に大勢の人が駆けつけ、会場は多くの参列者で溢れていました。
これもすべて彼女の人望であることは間違いありません。

うちのお母さんの時、私はお葬式は身内だけでひっそりと…って思ってました。
お葬式って何が何だか分かんないまま、慌ただしく終わってしまう感じがしてたし。

でも当時、お母さんのお友達やお世話になった人達が遠くからたくさん集まってくれて、
「お母さん、こんなにたくさんの人達に愛されていたんだ。」
そんなふうに思えたら、すごく有り難かった。

その人の生きてきた人生の集大成は最期にわかるんだ。
そして多くの人々に見送られることはとても幸せなことです。

実感できていない感じの彼女の息子さんは、まだ中学生で
周りの大人たちの言われるまま、落ち着かない様子でした。
それでも駆け付けた担任の先生から声をかけてもらった途端、
堰を切ったように泣き出しました。

そんな光景を見ちゃったら、私も号泣です。


そんな中、病院からの呼び出しのベルが!

「先生、分娩です。」

うそ、マジで??

すぐ来てくださいって言うから、
腫れぼったい目と喪服の上に白衣を羽織って分娩室に向かいます。

男の子だったかな。
若いご夫婦に生まれた赤ちゃんでした。
がんばった妊婦さんも立ち会った旦那さんも泣いてました。
そして、これからおじいちゃん・おばあちゃんになるご両親は、それはもう手放しで喜び合っていました。みんな嬉しくて泣いてました。

いつもの立ち会いだったけど、何だかいつもより感動しちゃった。


助産師という仕事を天職として全うした彼女。
こんな事態にさせたのは彼女の仕業かしら…?

どうか天国でゆっくり休んでください。
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by kurukuruX | 2012-06-22 19:20 | 仕事 | Comments(8)

新しいものと古いもの

医薬品は日に日に進歩してどんどん新しい薬が出てきます。

新しくなれば効果が上がったり、副作用が軽減されたり、
そしてさらに薬価が上がって医療費が膨れて製薬会社がまた儲かったり。

最近はジェネリック薬品も参入して薬の名前を覚えるのも大変です。

私たちは医療費を少しでも抑えるため、時代に沿ってよりよい医療を提供するため
がんばって日々勉強し続けなければいけません。

カッコいいこと言った!


ところで産婦人科、とくに妊婦さんに使う薬は安全性が確立されているものが望まれます。
いわゆる使用経験やデータが豊富にある歴史のある古い薬です。

総合病院では売り上げに貢献しているメジャーな科が製薬会社にのせられ、
どんどん新薬を申請していきます。そして時代遅れの薬はどんどん削られます。
これも時代の流れ、仕方のないことです。

実は妊婦さんによく使ってる花粉症の薬と降圧剤が削られそうなのを死守しております。
知らない科からすれば「そんな薬まだ使ってるの?」ってなものかもしれません。

でも思うんです。

血圧下げる薬は会社が違うだけでそんなにたくさんいるんかいな?
同じような作用の抗アレルギー剤とか多すぎやしまへんか?

マイナーな科は発言力がなくていけません。

医者がたくさんいれば好みの薬も千差万別、薬の本は毎年分厚くなっていきます。

確かに新しいものはいいものに決まってます。
でも歴史があるからこそ、確立されたエビデンスによって安心して恩恵をうける患者さんもいます。

最近は昔ほど妊娠中の薬はダメだってことはありません。
お母さんが健康でいるためにかえって使った方がいいこともあります。

そして世の中の薬のほとんどは妊娠中でもちょっと服用したくらいなら
ある程度育った赤ちゃんには影響がないことが多いのです。

それでもやっぱりお母さんはお腹の赤ちゃんへの影響を心配します。
そんなお母さんの心配を完全に取り除くことは産婦人科医でも不可能です。


最近は病院経営も厳しいから大変です。
それぞれの言い分をいちいち聞いてたら赤字になっちゃうんだろうね。
私も従業員の一人に過ぎないわけだし。

以上、少数派意見をちょっとつぶやいてみました。
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by kurukuruX | 2012-05-07 21:54 | 仕事 | Comments(4)

ひとりごと

おっちょこちょいな自分によって仕出かしたプライベートでの失敗に
ほとほと自分がイヤになっちゃった。

八当たりもした。
自分が悪いだけのに。

ダメな自分のまま今日一日仕事した。
幸い何事もなく終われてよかった。

家に帰る気にもなれず、人気もなくなった医局で
ご飯も食べずにしばらくボーっと放心状態。

ふと思い立って次の論文の準備をし始めたら、
短時間でも集中したせいか、ちょっとスッキリした。


使えない上司に代わって下っ端仕事から管理業務、挙句の果てには論文のノルマまで
こんなの期間限定じゃないと一人ではとてもやってられん。

「よくやってるね。」

褒められたくて仕事してんじゃないけど
たまには言葉にして誰かに労ってもらいたい!
なんて思ってしまう。

自信がない時はなおさらかー。
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by kurukuruX | 2012-03-21 23:28 | 仕事 | Comments(12)

がんばったわたし

提出していた論文の採択通知がきました。
やったー!

今まで研究分野にはほとんど手を出さず、たたき上げでここまできて
上司は当てにできず、ほぼ一人で慣れない統計学や英文作成に四苦八苦し
今回なんとか形にしました。

手術がうまくいった時とはまた違う達成感です。
自作のイラストも力作なので印刷も楽しみだなー。

今夜はお祝いしなきゃ。

・・・なのに今日に限って一人ぼっち・・・だったりする。

もう夜も遅いし、おつまみを作る気力もないし、近所の中華料理屋に行きました。

一段と寒い夜、お気に入りのお店は貸し切り状態です。
厨房から聞こえる魅力的な中華鍋の音は私ひとりのために。
絶品の四川風焼きそばと生中2杯。
中国人のお姉さんが自家製キムチをサービスしてくれました。

テレビを見ながら我が家のようにくつろいで、あーなんて幸せなんでしょう。

凍てつく夜の帰り道、ホカホカな息を吐きながら、ひとり大行進して帰りました。

ノルマはまだまだあるけど、期間限定だと思って次もまたがんばります。
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by kurukuruX | 2012-02-03 21:16 | 仕事 | Comments(14)

師走

仕事量が恐ろしいことになっています。
おえ。吐きそう。

年末にかけて限られた手術室の枠を院内各科が取り合っています。

年内に治療しておきたい。
患者さんも医療側も同じような思いから
休みに突入する直前まで手術室は連日フル稼働です。

今日も外来に来た辛そうな患者さんを目の前にすぐ処置してあげたいのは山々だけど
どうにもこうにもならないものはなりません。

いくつか他施設をあたってもベッドが満床とか受け入れ困難とか
どこもかしこも同じような状況です。

「夏頃から調子が悪かった。」

そう言われると、もっと早く来てくれれば・・・
何もこんな時期を選んで病院に来なくても・・・思わず声に出そうです。

患者さんはそんな病院事情なんて関係ないからイライラしています。
私達もも最大限努力します。ヘトヘトです。

そして癌末期の患者さんもなぜか集中して入院しています。
今日は3人の腹水を抜いて症状緩和を図りました。
抜いても抜いても次々にまた溜まってお腹が苦しくなってしまいます。

明日は予定日を過ぎた羊水過少のハイリスクな妊婦さんが
「帝王切開は絶対にしたくない。」とおっしゃり、
陣痛促進剤を使って産むべく入院が予定されています。

実は私達、朝から手術室にこもりっきりです。
赤ちゃんが元気なまま、うまくお産が進めばいいけど、とても危険な綱渡りです。


師走。
世の中全体が慌ただしいんだろうな。


クリスマス、年末の大掃除、年賀状、新年の準備など
・・・んなもん、全く無縁だっつーの。

やべ。八つ当り。

現実逃避も兼ねてブログを更新してみました。
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by kurukuruX | 2011-12-20 19:28 | 仕事 | Comments(14)

お仕事手帳

日々の業務は忘れないように常にメモしてます。

毎日のTO DO LIST、当直、病院会議、研究会、学会などなど
流行りのスマホのスケジュール管理ではなく、紙です、紙。

使ってる手帳はポッケに入る小さなもので、業者さんからもらうもので済ませちゃいます。


来年使う手帳です。

女子が使うにはいささか真っ黒でおじさん臭さ全開だったので
得意のぷっくりシールを貼ってみました。

じゃーん!
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カワイイ♪
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by kurukuruX | 2011-12-09 22:56 | 仕事 | Comments(4)

日々勉強

何度か外来で診ていた患者さんだったのですが、症状の原因が分からず
つい先日、別の先生により思わぬ所に悪性腫瘍がみつかり手術になりました。
残念ながらすでに進行していました。

病気そのものも非常にまれで、しかも見つけにくい場所で
仮に当時の1カ月前に診断できたとしても結果は同じであったろう…などなど
言い訳は山ほどあります。

それでもきっと患者さんや家族にしてみたら
「もっと早く見つかっていれば…」と思うのは当然です。

人によってはそれで訴訟にまでなるご時世です。

担当は変わっても同じ病棟内でお互い気まずい気持ちのまますれ違うのはとても心苦しく思い、
言い出すまでなかなか勇気が要りましたが

「あの時、見つけてあげられなくて申し訳なかったです。」

患者さんに申し出ました。


どんな返事が返ってくるかとビクビクしていたら

「とんでもないです。これから不安ですけど、でも病気が見つかってよかったです。」

と返ってきました。


な、なんと、できた人なんだ!!




今回の症例を通して「当たり前のことが決してそうではない」
またひとつ勉強させていただきました。

医学の道にゴールはなく、何年経っても日々勉強です。

この教訓を頭の片隅に記憶して明日から診療します。


この患者さんとはこれまで通りの関係でやりとりしています。

この先も私にできることは精一杯してあげたいと思います。
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by kurukuruX | 2011-10-20 20:09 | 仕事 | Comments(6)

プラスα医療

午後2時くらいにやっと最後の外来患者さんを呼びいれると、
いつも早朝に来る常連のそのおばあさんが

「せんせい、こんなに遅くまで・・・大変だねぇ。」と
自分のことよりも先に私の方を気遣ってくれました。

そんなこと言ってくれる人はそうそうおりません。
みんな自分の体が一番心配だから。病院だもん。当然ね。

些細なことだけどかなり感動しました。
心が少し病んでんのかな・・・。
実はもうお腹がペコペコだったの!


ただでさえ病院は待ち時間が長いといわれるご時世です。

一生懸命説明して処方した薬も飲んでくれなかったり、
休日でも夜間でも診察するのが当然でしょ、とか
いろんな人がいますけど、
相手の立場を思いやれる人生の大先輩に頭が下がりました。

おだてたり媚びる必要なんて全くありません。
ただ、医者も人間だし、人と人とのおつきあいです。


来週も予約はもういっぱいになっちゃったけど特別に入れときますね!

プラスα医療。
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by kurukuruX | 2011-09-29 23:54 | 仕事 | Comments(4)

出張手術

腕を買われ(?)他の病院で手術の指導に行って参りました。
私でいいんですか?って感じですが・・・。

見知らぬ病院へナビを頼りにやっとこさ到着し、重い手術道具をガチャガチャと持参しながら、辺りをキョロキョロ・・・
入り口の案内係りの人に「手術室はどこですか?」と聞くと、
怪訝そうに「どのようなご用件で?」

「しゅ、手術の立会いを依頼されましたモノです。」
と名乗りましたが完全に怪しまれていました。

手術室の窓口でも私服姿の私を、誰だ?コイツ的な感じで
「センセイですか?」と尋問されてしまいます。

私ってば白衣によってかろうじて威厳を保っているんだなー。
いやー、制服って重要!

慣れた職場と違って、サッカーで言う、完全アウェーってんですか。
ひさびさに緊張しました。
でもだんだん丁重に扱われていく変化がおもろかったです。

手術は無事に終わりました。

私自身も以前、専門の先生から何回も教わった技術です。
親切にされたご恩はこんな形で若いドクターに返したいものです。

「センセイが自信持ってやれるようになるまでまた来ますよ。」

ヤル気溢れる若手とおしゃべりして私自身もリフレッシュできました。

時間があったので院内の売店とかレストランとか探検してきました。
ベッド数もウチよりはるかに多い立派な病院でした。

お土産に売店でおいしそうな手作りパンを買って帰りました。
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by kurukuruX | 2011-09-18 11:25 | 仕事 | Comments(6)
仕事イヤイヤ病がピークに達しています。

悩んだり考え尽くしても所詮解決しないことなので、解決策として最近いろんな人たちと飲み歩いています。

病棟、外来の看護師さんたちは勿論、こないだはオペ室ナースと飲み会しました。

緊張感漂う手術中のやりとりとは打って変わって、これがまた楽しかった。

特に他科ドクターの裏情報。
医者同士って接点があまりないと、お互いどんな先生なのかって実はあまり分りません。
産婦人科もかなり特殊な分野だから、反対に自分もどんな印象もたれてんだろうなー、なんて。

自分が普段抱いてる先生達の印象って表面だけのもんだったんだ!


いい先生だと思ってた人が手術ではむやみにテンパってたり上司からの評価が低かったり。

無愛想で印象が悪かった先生は意外にもスタッフには優しく説明してあげたり手術も上手だとか。

硬派な先生が実はオネエキャラだったり!誠実そうな先生に愛人がいたり!!
まぁ、仕事をちゃんとしてりゃいいんだけどね…。

いつもは穏やかそうなのに術中うまくいかなくてイライラすると血だらけの器械を壁にぶつけて当たっちゃう先生もいるらしい。

「あとの掃除が大変なんですよー!」とみんなの評価は最悪のようです。

手術をする側も極度のアドレナリン放出の特殊な心理状態ってやつで、手術中って人間の素の部分がすごく出るんじゃないかな。

いろんな科の手術のアシストとして傍で観察している彼女たちの評価は客観的で真実なのかもしれません。


気の合う仲間と仕事帰りの18時スタートから、ふと気がつくとなんと、12時を過ぎていました!!

6時間以上も居座っちゃって、お店の人、すみません…。

にしても面白情報満載でとっても楽しかったなー。


行き詰まりも決して解決したわけではないけど、しゃーない、明日からもがんばるかー。
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by kurukuruX | 2011-08-28 12:03 | 仕事 | Comments(4)

只今、二度目のドロップアウト中。


by kurukuruX