ドロップアウト産婦人科医の生活

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カテゴリ:仕事( 100 )

ひさびさの献血

献血バスが今日、うちの病院にやってきました。
年末はどこもかしこも血液が不足するからね。


「産婦人科=出血」
といっても過言ではありません。

正常分娩でも時に大量出血し、若い妊婦さんと赤ちゃんの2つの命を救うために
じゃんじゃん輸血することもしばしばです。

日頃のご奉公に、どれ、久々に献血してみるか。

6年ぶりだったらしいボロボロの私の「献血手帳」は、新しく「献血カード」に変更されました。
カード、知らなかった…。

採血上手だなぁ・・・、なんて見とれていたら、別のベテラン風の看護師さんから
「先生のこと、私、見覚えあるよ!」と声掛けられました。

研修医の頃によくやった献血車のバイトで何度か一緒だったらしい。
でももう10年以上も昔・・・

覚えててくれたんだ!

確かにあの頃は仕事がイヤでイヤで、献血のバイトが心のオアシス、よく現実逃避してたなぁ。
懐かしい。
いつの間にか10年以上も経ってんだ。

あの頃の気弱だった私は、今やこの病院のなくてはならない存在になってますっ!!
なんちゃって。


いいことしたついでに、うれしくも切なくもなり・・・。

採血された400ccの私の血液、どうぞどこかで誰かの役に立ってくれ。
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by kurukuruX | 2010-12-21 23:10 | 仕事 | Comments(0)

医学の進歩

ラパロを専門にしている先生を呼んで、今日は単孔式腹腔鏡手術をしました。

簡単そうな症例を選んで臨みましたが、実際手術を終えてみて、一言

「医学はまさに日進月歩!」

おへそを中心に3.5ミリの切開1ヵ所のみで、大きな腫瘍がくり抜かれ、出血を止め、残った付属器がきれいに縫合されました。おへその傷はほとんど目立たず、形も変わらないどころか、前より美しく修正されている?!

すごいなー。


今こうしている間にも、新しい薬が開発され、画期的な手術が編み出され、ロボットが手術したり、今まで正しいと思っていた医学知識が見直されたり。

最近はジェネリック薬品も加わり、薬の名前を覚えるのも大変です。

あや!? こう感じるのはもしや年取ったせいなのか!
まだまだ若手だと思ってたんだけど・・・。
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by kurukuruX | 2010-10-28 23:04 | 仕事 | Comments(0)

病院からの呼び出し

最近なかなか美容院にも行けないので、おうちでカラーリングしていると、

病院から呼び出しのベルが鳴りました!!
こんな時にかぎって!

ゴミ袋に穴を開けたポンチョを被った下はあられもない姿、そしてカラー塗り始めたばかりの頭、
そんないでたちで、平静を装いながらPHSに応じます。

患者さんの対応もさることながら、・・・この頭、どうするべきか。

幸い、救急当直の先生が時間稼ぎをしてくれて、びちょびちょの髪で病院へ駆けつけ、
カラーも仕事も何とか終えることができました。

それにしても、仕事とはいえ、急な呼び出しは本当に凹みます。
今日は呼ばれるかも、と分かっていれば警戒できるんだけど。



日々の仕事を終えて、
ゆっくりご飯を食べている時、お風呂でくつろいでいる時、すやすや熟睡している時、

「すぐ来てください。」っていう病院からの呼び出し。

「すぐ」って、無理よ。無理。
24時間、家でスタンバっているわけないじゃん。

その時のガッカリ感ときたら、もうプライスレス、お金に換えられません。


最近どこかの病院で、時間外労働に対して正当な報酬を要求している産婦人科の先生のことが
ニュースになっていました。

みんな我慢してるんだなー。
ホントよくやってるよ、みんな。
そして私も。


人数増やして、完全交代制。
仕事は仕事、休日の確保。

夢のまた夢です。
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by kurukuruX | 2010-09-28 20:44 | 仕事 | Comments(3)

診療補助のおネエさん

ちょっと前から診療業務をサポートしてくれる事務のおネエさんが
外来の私の横についてくれています。

もともと小忙しい外来では、患者さんを診察し、説明をして、カルテを書いて、エコーの写真を貼り、検査や薬の入力、診断書の発行、次回の予約・・・など、一人の患者さんに対して一人のドクターがやらなきゃいけないことが盛り沢山でした。

患者さんが特に多かったり、だんだん疲れてくると、たまに薬を出し忘れちゃったり、間違えて予約しちゃったりと、集中力もなくなって、うっかりミスが出てきます。

今はパソコン入力の大半をおネエさんが代わりにやってくれるので、診療や患者さんのやりとりに集中できます。
ダブルチェックも働き、勘違いやミスも少なくなります。
生命保険の書類もずいぶん早く処理できるようになりました。

マジで本当に助かっています。

しかも自分専用の秘書さんができたような気分で、
「これ、コピーお願い。」
なんていう、憧れのセリフも堪能しています。

おネエさんが配属されたばかりは、お互いの役割分担や難しい医療用語、パソコン操作もぎこちなかったのに、今では私が患者さんと話している内容を傍らで聞きながら、薬や検査をサクサク処理してくれるまでに成長してくれています。

そんな時は
「グッジョブ!!」
お褒めの言葉も怠りません。

たまたまハローワークで拾われた彼女も、今ではなくてはならない立派な診療補助事務さんです。


最近は資格もできてきたみたいですが、日本ではまだまだ普及していない制度です。
もっともっと導入したらいいのに。

医者の負担は減るし、患者さんにとってもメリットだし、世の中の雇用促進にもなる!


ところで、「おネエさん」といいましたが、年齢は私の一回り以上年下の、キャピキャピギャルです。
診療の合間に世間話もしたりして、最近、彼女は合コンに行きまくりなんだそうな。

こんな気がきく、デキる女子はきっとモテるに違いありません。

誰かいい人紹介してあげたい・・・、とオバちゃん根性丸出しの私でした。
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by kurukuruX | 2010-08-25 21:30 | 仕事 | Comments(5)

長生きの秘訣

お母さんが逝ってしまったのは、暑さも最高の、こんな汗だくの季節でした。

仕事の文句ばっかり言って、お母さんをずいぶん心配させてきたけど、何だかんだと
今もハードな毎日を続けているよ。相変わらず愚痴もいっぱいなんだけど。

天国から見てるだろうか、母ちゃん。


今、お母さんと同じ卵巣癌のおばあさんを診ています。
90歳という年齢や体力などから、手術も抗癌剤もせず、対処療法のみの治療です。

お腹が苦しくなれば腹水を、胸が苦しくなれば胸水を抜いて、また楽になって家に帰っていきます。
食欲もあって好物のお肉(!)をいっぱい食べて、家では孫や家族と賑やかに過ごされています。
小さな体のおばあさんにもし抗癌剤をやっていたら、とてもそれどころじゃなかったかもしれません。

当初は家族の中から「何もしないなんて可哀相だ。」なんていう意見もありました。
相談の末、告知もせず、苦痛だけを取ってあげるだけ。でもこれも重要な「治療」です。

癌を抑える治療は何もしていないのに、全身に潜んでいる癌の進行は高齢のせいか、とてものんびりです。すでに末期だと診断されてから、もうすぐ半年近くになろうとしています。すごい。

いくら体がしんどくてもトイレは自分でと、頑なに人の手は借りません。
しょっぱい漬物を食べ、熱いお風呂に毎日入り、連日の猛暑日もクーラーは嫌いだと扇風機だけカラカラまわして、家族が言っても止めないマイペースなおばあさんだそうです。

「抜いても抜いてもどんどん水がたまるって、不思議な病気だねぇ。」と笑いながら話すおばあさん。
きっとこんな性格も病気の経過に関係しているのかもしれません。

毎回、私やスタッフが汗だくになって、おばあさんのいいようにあれこれ奮闘している様子に
「皆さんにこんなにやってもらって、もう十分満足です。」とおばあさんはいつも感謝の言葉を言ってくれます。


何がいいのか悪いのか、人の価値観や人生観はそれぞれで、ただその希望に沿ってベストの医療を提供するのが仕事ですが、自分の家族に対するように接する気持ちも忘れないようにしたい今日この頃でした。
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by kurukuruX | 2010-07-31 11:20 | 仕事 | Comments(2)

TVM手術

先日、新しい手術を成功させることができました。やった!

何事も新しいことを始めるというのは、エネルギーのいることですが、無事に終えることができて、
達成感と緊張からの解放により脱力状態です。

患者さんの多くは高齢者なので、「歳のせいだから仕方がない。」とか、
ガンと違って、死ぬわけでもないし、
高齢者ゆえ、もともと合併症なんかも多くて、
今まで積極的な治療は敬遠されがちな領域の疾患でした。

命には直接かかわらないけど、でも生活の質を確実に下げてしまう病気に対して、
日本でも最近ようやく普及し始めた、低侵襲かつ簡便な手術方法です。

野良仕事で毎日忙しいおばあちゃん達が多いこんな田舎では、多くの需要があるに違いない!
そう思って、時間を見つけてはトレーニングのため他の病院へ足を運んできました。

もっともっと精度を高めて、もし将来、自分もなったら受けたくなるような治療を目指して
しばらくまた頑張りたいと思います。
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by kurukuruX | 2010-06-26 19:09 | 仕事 | Comments(6)

やってもうた

数日前のお手柄?(前記事)とは反対に、早々にヤラかしてしまいました。

いつもどんな時も病院のPHSは肌身離さず身につけているのですが、
先日(もちろん勤務中)、つい白衣のポッケに入れるのを忘れてしまいました。

ほんの数時間で気がついたのですが、その間にいろんな人に迷惑をかけてしまいました。
関わった患者さんたちにも。

本当にずびばせんでじだ・・・ぐす。

反省してます。
これからはもっともっと気をつけます・・・。

私は、携帯電話なんかもよく忘れて出かけてしまうんですが、これだけは、病院のPHSだけは
何に変えても肌身離さず持っていなければいけない運命。

悲しい限り。
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by kurukuruX | 2010-06-05 12:49 | 仕事 | Comments(0)

小さなサイン

いつものせわしない外来の中、
「破水しました。」
とやってきた予定日間近の妊婦さんがやってきました。

こんなことは日常茶飯事なので、流れ作業的に
「いよいよですねー。入院準備は持ってきましたかー?」
などと、いつも通りに診察にかかります。
ふと、流出する羊水の性状に目が留まりました。
ちょっとしたほんの些細なことでしたが、ちょっと気になったので、ルーチン業務をこなしつつ、
軽く家族も病院へ呼び出し、万が一の手術に備え、絶食と検査の入院指示をしました。

その後も押し寄せる外来患者さんをさばきながら、外来の合間5分おきに病棟に電話で尋ねます。

「さっきの赤ちゃんの心音どう?」

もしも具合が悪ければ、すべての業務をストップして対処しなければなりません。

幸い赤ちゃんの心拍数は元気でした。
超音波検査もCTGも血液検査も異常はありませんでした。
でも何か引っかかるものを感じ、赤ちゃんの安全を優先する名目で帝王切開手術の方向へ話を進めました。

手術によって赤ちゃんは元気に泣きながら産まれてきました。
普通、赤ちゃんの後には胎盤が娩出されますが、この胎盤、いつもに比べて全く抵抗なく出てきました。あれ?と思ったら、その後でっかい血腫が出てきました。

・・・胎盤、剥がれかけてた?

いわゆる胎盤早期剥離です。
あわわわ・・・。
怖ろしい。恐ろしい。恐ろしい。

もしも妊婦さんが破水していなかったら、この微妙なサインが見つけられなかったら、
この赤ちゃんは近い将来、お腹の中で突然お母さんからの命綱を失って命を落としていたでしょう。
そしてある時、お母さんは
「最近、赤ちゃんが動かないんです。」
なんて訴えで病院へ来ることになり、子宮内胎児死亡、胎盤早期剥離、母体DIC・・・
などとそりゃあもう、一大事に至っていたかもしれません。

お産とは、ちょっとした出来事、タイミングによってその子の一生がかかってきます。
この赤ちゃんはきっと、これからも障害なく、元気に育ってくれることでしょう。
お母さんも出血も少なく、通常の術後経過で済みました。
ギリギリセーフ!
よかった。帝王切開しといて。

周辺の病院でも分娩時のトラブルなどで後々揉めている噂を耳にすると、
余計に危ない橋は渡れなくなります。

逆子で下から産む?
前回帝王切開だけど今回は下から産んでみたい?

保身、委縮医療などと言われますが、自然と帝王切開率は上がるのはこのご時世、仕方がないことです。
そして、こういう事例の積み重ねにより、世界でも優秀な周産期死亡率、妊産婦死亡率の低さを守っていることなんだと思います。

何かおかしい、普通でない事態を嗅ぎ分ける力を身につけるにはやっぱり経験が必要です。
あと「気がつける」精神的、時間的余裕も。

自分の直感が当たり、赤ちゃんの人生が新たに始まることができてよかったなーと思った
今日この頃です。

事故や訴訟などの経験は、長い人生、どんな産婦人科医でも1回や2回は経験するよ、
なんて言われてきましたが、幸いまだ経験せずに済んでいます。

今更ですが、でもやっぱり医師賠償保険に入っておこうと思いました。
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by kurukuruX | 2010-06-02 20:48 | 仕事 | Comments(7)

しょんぼり

以前の記事で報告した、あのイカした「コードブルー」な術衣。
はりきって颯爽と仕事していると、患者さんからうれしそうに質問されました。

「先生、ご懐妊ですか?うふふ」


・・・。 「うふふ」って。


ふ、太って見えてた?あたし。

「残念ながら、これはお腹の脂肪のようですねぇ。はははー・・・」

なんて最後は、渇いた笑いです。

すっかり意気消沈して、いつもの格好に戻っています。

しょんぼり。

形から入るのも、なかなかうまくいきませんなー。
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by kurukuruX | 2010-05-17 22:30 | 仕事 | Comments(2)

手術の不思議

昨日は朝9時から夜8時までオペ室から一歩も出られませんでした。
卵巣癌の手術に、子宮筋腫、最後は緊急カイザー。
数日後に帝王切開を予定してた妊婦さんの陣痛が運悪く?始まってしまいました。

さすがに疲れた・・・。

体にメスを入れられる患者さん自身当然、その侵襲による身体反応はありますが、
オペする方もどんなに慣れた手術だろうが、尋常でない集中力が無意識のうちに働いています。
お互いアドレナリン出まくり状態。
何時間もぶっ通して執刀しても、不思議なことにお腹も減らないし、トイレにも行きたくなりません。
手術が終わると脱力して気が緩むのか、合間にお水を2杯飲んだのと、おしっこ一回しただけです。

最初の卵巣癌の患者さんはまだお子さんも小さいお母さんで、術中迅速病理診断は残念ながら悪性でした。術後の説明には沢山の身内の方々が術中の経過や今後の治療など、神妙な面持ちで聞いていました。

これからがまた大変なんだよなぁ・・・。

母ちゃんのことをつい思い出しました。


手術室を出て、ヨロヨロと自販機へ行き、甘ーいフルーツジュースを一気飲みしていると、すれ違いに仲良しの看護師さんが、売店で買って余ったからとサンドイッチをくれました。
わぉ!食べ物だ!ありがたい!
いつもはパサパサでそう美味しくもないのに、この時ばかりは溢れる唾液と共に味わい深く噛みしめました。
これがまた本当においしかった。
飢餓状態で食べ物にありつくってこんな感じなのかしら?


今朝はそれぞれの患者さんたちの順調な経過を見届けて帰ってきました。

帰り道、外は眩しいばかりのお天気です。
そして世の中はゴールデンウィーク。

こんな日はお出かけもいいけど、おうちでポカポカお昼寝するのが最高に幸せかも。
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by kurukuruX | 2010-04-29 13:51 | 仕事 | Comments(6)

只今、二度目のドロップアウト中。


by kurukuruX