ドロップアウト産婦人科医の生活

kurukurux.exblog.jp
ブログトップ

<   2008年 08月 ( 6 )   > この月の画像一覧

3人姉妹

仕事の帰り道、夕食の買い出しに、いつものスーパーに寄りました。

エノキを手に取り、ハーフにするか、フルにするか、真剣に吟味していると、

「先生!」

と呼ばれ、振り向くと、見覚えのある患者さんがいました。

ここは超田舎なので、スーパーで病院関係者、患者さんに遭遇する確率は、かなりのものです。

その患者さんが自分のことを名乗る前に、私は、「○×さんですよね?」と、すぐ相手が分かりました。

その人は、私がドロップアウトしてる時期に、とても苦労して赤ちゃんを出産した人だったからです。

そして、お母さんのすぐ傍には、同じ顔をした、とても可愛い双子の女の子がいました。

ついこの間、判決が出た、世の中を騒がしていた事件ではないけれど、その人も帝王切開の際、大量出血し、術中10分以上も心停止したのにもかかわらず、奇跡の復活を見せたスゴい症例の人だったのです。

一時は「これが『母体死亡』とゆーものなんだろうか...。」と凍りかけた、自分の医者人生の中でも忘れることのできない人です。

今でも医局の机には、その双子の赤ちゃんが生まれた時の写真が、こっそり飾ってあります。


「大きくなったんだねー!」


あの時の写真から、本当に大きくなってて(当たり前だけど)、不思議な感覚で、月日の流れを感じました。

「この先生が、あなた達を生ませてくれたんだよ。」

「大変だったんだからー。」

お母さんに説明されても、当然のことながら、2人ともキョトンとしています。

2つ上のおねえちゃんと3人で、狭いスーパーの中を楽しそうに駆け回っていました。

お店のBGMが、「崖の上のポニョ」になった途端、3人は我こそはと、張り裂けんばかりの声で、「ポーニョ、ポーニョ、ポニョ♪」と歌い出しました。

それが何とも微笑ましくて、とっても可愛かったなぁ。

帰り際には、駐車場で車の中から、恥ずかしそうに手を振ってくれました。


また、会えたらいいなぁ・・・。
[PR]
by kurukuruX | 2008-08-26 22:59 | 仕事 | Comments(2)

夜はだんだん涼しくなってきました。

お腹が冷えたせいなのか、昨晩はとても怖い夢を見ました。


お母さんが謎の刃物集団に狙われているんです。

一度やられちゃって、でもお母さんは奇跡的に生き返りました。

その後もその集団から守ろうと、家族全員でお母さんを抱え、必死で逃げるんです。

でもすごくしつこくて、家の周りを囲まれて、今にも侵入してくる勢いで、110番しても間に合わず、どんどん家が壊されていくところで、目が覚めました。


こ、怖かった・・・。(汗)

でも、夢の中でお母さんに会えた。

夢って不思議。まるで現実のようだった。

目が覚めたら消えてなくなるような夢じゃなくて、ちゃんとしっかり覚えてた。

忘れたくないから、ここに書いておこーっと。
[PR]
by kurukuruX | 2008-08-21 21:31 | おかあさん | Comments(4)

気分転換

悶々とした日々の中、超久しぶりにバスケをしに行きました。

最初はあまり気乗りしなかったんだけど、スポーツをしている瞬間は、何も考えず、ただ体を動かしている。あっという間に時間が経ってた。

そんな時間を過ごすだけでも、何かが違うんだろうなと感じました。

私を心配してくれて、声をかけてくれる、そんな周りの環境がとても有り難い。

ポニョにしろ、バスケにしろ、一人だけの生活だったら、思いつかなかったかも。

もしも、一人ぼっちだったら、もう自分はこの世にいないかも・・・と思う時もある。

こういうのを、一人じゃないっていうのかなー。
[PR]
by kurukuruX | 2008-08-18 23:42 | その他 | Comments(4)

崖の上のポニョ

見ました、ポニョ。

いろんな評価があるようだけど、私はとっても良かったです。

心が洗われて、リフレッシュできそうな感じ。

また売れそうだなー、ポニョグッズ。
[PR]
by kurukuruX | 2008-08-17 13:24 | その他 | Comments(0)

童謡 「おかあさん」

おかあさん

なあに

おかあさんて いいにおい

せんたくしていた においでしょ

しゃぼんのあわの においでしょ


おかあさん

なあに

おかあさんて いいにおい

おりょうりしていた においでしょ

たまごやきの においでしょ





かすかに覚えてて、最初のフレーズだけ、最近までよく歌ってました。

うちのお母さんのにおいは、洗濯でも卵焼きの匂いでもなくて、加齢臭?が少し混じったような、お布団のような、いい匂いでした。


お母さんのにおい、忘れたくないなー。
[PR]
by kurukuruX | 2008-08-14 19:41 | おかあさん | Comments(0)

おかあさん、ありがとう

お母さんは、とうとう天国へ行ってしまいました。

予想よりちょっと早かったけど、とても穏やかな最後でした。

お母さんが望むような最後でよかったね。一番心配してたもんね。


今まで散々恐がっていたお母さんの死は、こんなのもの?ってくらい、あっけなかった。


私が毎朝、「母ちゃん!おはよう。眠れた?」って病室に入ると、

「よく寝れたよ。」ってニッコリ返してくれた。

一日の終わりには、「ありがとう。ありがとうね。」

何度も言って、手を振って見送ってくれた母ちゃん。

「こんなに良くしてもらって、悪いねぇ。」っていつも言ってた。

最後は、過去にさかのぼってるのか、いろんなうわ言を言っていたよ。


おかあさん、楽になったんだよね。


もう、治療の心配をすることもなくなったし、ざるそば作って持って行くことも、美味しいお茶を沸かして持って行くことも、看護師さんにはナイショでしてた浣腸の世話も、もうしなくていいんだ。


当然のことながら、お母さんがいた病室は空っぽです。

こっそり入ってみて、今までの映像を何とか思い出してみる。

ほんとにお母さんは、もういないんだろうか。


お母さんがいなくなったことを寂しくと思うと涙が出るけど、ベストを尽くしたと思うと、不思議と悲しさが少し救われる気がします。

とらえ方一つでこんなに違うもんなんだ。


遺影のお母さんの顔は、いつもの変わらない、可愛らしいお母さんです。

今まで相当辛かったろう、たくさんの治療を、家族のために、がんばって受けてくれて、ありがとうね、お母さん。

f0056660_18552026.jpg

[PR]
by kurukuruX | 2008-08-05 19:00 | おかあさん | Comments(10)

只今、二度目のドロップアウト中。


by kurukuruX