ドロップアウト産婦人科医の生活

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両親への手紙

お父さん、お母さん。

やっとここまでたどり着いたよ。

お母さん、そばにいる?

花嫁の母として、出席するの楽しみにしていた結婚式。

お母さんが着る予定だった留袖は、叔母さんが代わりに着てくれたよ。

お母さんの席もそのまま予定通り、乾杯のシャンパンもお赤飯も用意して、みんなと一緒だよ。

「新婦の母でございます。」

って言いながら、お父さんの後を付いて回るんだって、ちゃんと務まるかしらって、心配していたもんね。

無事に終わったよ。

天国から見て、どうだった?うまくいったかな。



お母さんは、今まで、部活やら、受験やら、私が医者になるまで、一緒に苦労して、いつも一番の相談相手でした。

病気になってからは、子供のように家族に甘えて申し訳ないって、よく言っていたけど、やっぱり、お母さんは絶対の存在だもの。今でも、これからも、相談したいことはいっぱいあるんだから。

お母さんの思いもかけない闘病生活は確かに辛かったけど、目標に向かって家族の絆が深まって、あちこち旅行したり、逆に普段の平和な生活も、とてもありがたくて思えて、本当に毎日充実していたね。

そして、自分が医者として得てきた知識や経験がお母さん自身に返すことができて、わがままもいっぱい聞いてあげられて、今まで何度も辞めようと思ったけど、ここへきて頑張ってきた甲斐がありました。



「家族を第一に考えたい。」

私は最初に彼に言いました。

結婚の話は、お母さんのことを思うと、なかなか決断できなかった。

私自身、余計な悩みを増やしたくなかったし、お母さんの治療に集中していたかったから。

最初はお母さんも反対してたけど、少しずつ、話が進んでいくうちに、だんだん安心して、前撮りした2人の写真を病室で眺めながら、生きる目標にしてくれたんだよね。


でも、間に合わなかった。

花嫁姿をお母さんに見せることは叶わなかった。

もう少し早かったら・・・って悔しく思うこともあるけど、でもこれがベストのタイミングだったんだよね。

家族を失ったら、生きる意味も見出せない自分だったから、今こうしていられるのは、彼のおかげです。

お母さんの治療に迷った時、医学的な知識がなくても、彼は彼なりに、そばで一緒に考えてくれました。

結果が良かった時は、家族のように一緒に喜んで、思ったような結果が出なかった時は、つい後ろを向きがちな私を、応援して励ましてくれて、次に前へ進む大きな力になりました。

時々、一生懸命になりすぎて余裕がなくなった私を、他愛もないことで笑わせてくれたり、気分転換させてくれたり、本当に辛抱強く付き合ってくれました。

自分一人だけだったら、とてもここまでやってこられなかったと思います。


お父さんお母さんに、彼のことを話したときから今に至るまで、決してすんなり進んだ訳ではなかったけれど、ここまでくることができて、とても幸せに思うし、彼との道を選んで本当に良かったと心から思っています。

だから、心配しないでね。

そして、これからもずっとずっと見守っていて下さい。
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by kurukuruX | 2008-10-21 23:45 | その他 | Comments(4)

只今、二度目のドロップアウト中。


by kurukuruX