ドロップアウト産婦人科医の生活

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ピポリ アリアーリコ デル ヴィトゥーレ
イタリア アリアーニコ種100%

ラベルも蜘蛛なの?可愛いし、ボトルもすんごい重量感。
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最近、何だか忙しくていけません。

もうすぐお母さんの命日。

今の私の姿をみて、母ちゃんはなんて言うだろう。
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by kurukuruX | 2013-07-24 22:05 | 今日のお酒 | Comments(2)

妊娠中の旅行

妊婦さんの遠出は極力おススメしないスタンスです。
妊婦健診で度々遭遇するんだけど、みんな結構平気で飛行機乗ったり、海外へ行ったりしています。

それでも、行く前にみんな、担当医からお墨付きをもらいたいんだろうね、
「先生、旅行に行ってもいいですか?」って聞いてきます。
あんまり遠距離だと
「あまりお勧めしませんが。」と答えます。
それでも行きたそうな雰囲気の患者さんには、
「あとは自己責任でね。」って付け加えます。

妊娠は病気じゃないし、そりゃ前もって計画していた楽しみをキャンセルしたくないでしょうし。
最近は止める家族の人もいないのかな。

でも妊娠中って予期せぬことがいろいろ起こります。
長時間、車や飛行機に揺られるのも悪影響です。
ちなみに妊娠してるってだけで血栓症、いわゆるエコノミークラス症候群は、実は普通の人の何倍ものリスクがあります。

何か起こって、まして言葉も通じない国では不安でいっぱいでしょう。
さらに出先の、かかりつけでない病院では、いつものようにすぐ診てもらえないかもしれません。


実はさきほど起こったことです。

白衣を血だらけにしながら、分娩後の縫合をしていたところ、救急当直の先生から
「出血してる妊婦さんが来てるから診てほしい。」って依頼されました。

その患者さんは旅行中に出血してしまい、かかりつけ医に電話したところ、今いる地域の病院にすぐかかるように言われたそうですが、大学病院、医療センター、市立病院・・・どこの病院でも診療・受け入れ困難の対応をされたそうです。そして2時間近くかけて、郊外も郊外の、うちの病院へやってきました。

やっと処置を終えて、いざ診察すると、その人は大量の出血と共に既に流産に至っていました。
複数の大病院の診療拒否はちょっと信じがたい状況でしたが、気の毒なのは患者さんです。
もし数時間前に対応できてたら、どうだっただろう・・・、いやいや、それは結果論です。

出血・全身管理や手術の必要性をお話しして、入院準備を進めていきました。
すると、患者さんから「明日の朝には自宅へ帰らせてほしい。」と言われました。

・・・。

確かにね、ここはお家から遠く離れた異国(?)の地。
早く帰りたいよね。お母さんはお家のことも心配なんだよね。

でもね、
たくさん出血してるんだよ?
麻酔・手術が必要なんだよ?

患者さんの体のことを最優先して、動くのが病院の仕事です。

白衣も、その下の自分のジャージまで返り血を浴びて、ちょっと無残な姿の自分にふと気がついた瞬間、なんだか、なんだか急に自分のやってることが虚しく思えてきました。

やむなく診察を断った先生達は、他の急患の対応に追われていたのかもしれません。

厳しい労働条件の中で必死にがんばっている産婦人科の先生達も同時に哀れに思えてきました。


産婦人科はとにかく救急疾患が多い診療科です。

なるべく翌日の手術に万全で臨めるように、長引く分娩にも根気よく付き合えるように、貴重な休みには少しでも眠れるように、できるだけ緊急対応せずに済むように仕事を采配することも、長く働き続けるためには必要なわけです。

妊娠中だって楽しく過ごしたい!いつでもどこでも病院にかかりたい!という患者さん側の立場と、実際診療する側とでは、立場の違いってだけで随分と意識がかけ離れているのでしょう。


同じ給料で仕事がキツいなら、今どきの若者もさることながら、誰だってやりたかないでしょうよ。

そうじゃないところに人が流れていくのは、当たり前のことです。

産婦人科医不足なんて、きっとこの先も解消されることなくて、明るい未来??

ない!ない!なぁーーーーーーい!!!(断言!)

患者さんや妊婦さんの意識改革も必要です。

日付が変わるちょっと前に、やっと夕食にありつきながら、そろそろ限界かも・・・なんて。

ちょっと病んでるなー、自分。
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by kurukuruX | 2013-07-24 00:50 | 仕事 | Comments(6)

只今、二度目のドロップアウト中。


by kurukuruX