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ドロップアウト産婦人科医の生活

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性格が結果を引き寄せる

職業柄いろんな性格の人々と接します。

毎日の診療では、今その人が困っている症状の原因について診断して、
わかりやすく説明し、今後の治療方針を提案します。

ちょっと昔だったら、
「詳しいことは聞いても解らないから、すべて先生にお任せします。」
自分の身に行われた医療行為の内容すらも把握せず、でも体は元気になっている。
昔はそれでよかったんだよね。

今はだいぶ違っています。
起こりうるリスク・受けられる恩恵、たくさんの情報と選択肢の中で、
治療方針は患者さん自身が決める時代です。

初めての診察でいきなり「手術した方がいいですね。」なんて言われたら、
大抵の人はすぐには決められません。
「ちょっと考えます。」とか「家族と相談します。」とか。

それが命にかかわらない病気だったりすればなおさらだし、
自分の体のことだから、よーく考えることは必要です。

そんな中でもたまに、潔いほど即断即決する患者さんがいます。
ホントにいいんですか?って感じの時もあります。

それほど辛い症状に悩まされていたのか、それとも、あまりこだわらない性格なのか。

でもそういう人って不思議と手術の日もたまたま空きがあったりして、すぐ日程が決まったり。
手術や術後経過も予想以上にスムーズで「楽になったわー。」と元気に退院していく人が多い印象です。


反対に、いろいろ迷う性格や少しの不具合も気になる神経質な人は、
治療方針もなかなか決められず、時間がどんどん過ぎていきます。

完璧を期待しちゃうんだろうな、
「絶対大丈夫ですか?」「完全に治りますか?」ってこちらに詰め寄ってきます。

やっぱり医療行為に「絶対」なんてないし、言ってあげたくても言えないご時世なので、思ったような返事が貰えず、家族や友達からもいろんなこと言われて、また悩み続けます。

そしてそんな患者さんに限って普段はあまり起きないような合併症が起ったり、入院が長引いちゃったり、治療の経過がかんばしくなかったり、今度は別の不満が出てきたり。


もちろん性格によって結果が違うわけではないけれど、性格が結果を引き寄せる?

科学的根拠は一切ありません。

不思議だけど、ちょっと納得できる部分もあったりします。

病気に限らず、なんでもそうかな。


果たして自分はどっちのタイプだろう。

前者のようになりたいなーって思ってる後者かな…

おおらかな人、憧れるなー。
by kurukuruX | 2012-12-04 17:55 | 仕事

只今、二度目のドロップアウト中。


by kurukuruX